これからタレントを目指したい、芸能界に入りたいと思うなら芸能界にある暗黙のルールを知っておくと有利です。
芸能界には他の業界と違うちょっと変わったルールがあるので、事前に知っておきたいもの。
この記事では、15年間芸能マネージャーを務めた私の経験から、
知っておくと有利になる芸能界の暗黙のルール
をご紹介します。
最も気を使わないといけないスタッフは誰?
バラエティー番組ではそうでもないんですが、映画やドラマでは最も気を遣わないといけないスタッフがいるんです。
普通に考えると、「監督」や「プロデューサー」ですよね。
でも、実は最も気を遣わないといけないのは「カメラマン」なんです。
よほどの大物監督なら話は別ですが、大抵の映画やドラマの現場ではもっとも力を持っているのはカメラマン、というケースがメチャクチャ多いんです。
私たちマネージャーは、撮影中スタッフの後ろに立って現場を見ているんですが、カメラマンに頭が上がらない監督やプロデューサーの多いこと多いこと。
「監督、次はどう撮るの!?早く指示出して!」
なんて、上からな感じもしばしば。
映画やドラマで一番大切なのは「良い画を撮ること」なので、カメラマンがヘソを曲げちゃうと作品が台無しになっちゃうんですね。
しかも、カメラマンさんって職人気質なので、気に入らない俳優だとかっこよく、綺麗に撮ってくれないなんてことも。
これを知らないで監督やプロデューサーばかりヨイショして、カメラマンをただの1スタッフみたいな扱いをしてしまう高飛車な女優さんとかよくいます。
結果、自分に跳ね返ってくるんですけども。
ドラマや映画の現場に着て行ってはいけない服
お芝居の現場では必ずメイクから始まり、その後に衣装に着替えます。
なので、現場に入るとまず行くのがメイク室なのですが、その際に着て行ってはいけない服があります。
それは、セーターやトレーナーのような、首を通さないと脱げない服です。
メイクをして髪をセットした後に着替えるので、このような服だとメイクが落ちたり髪型が乱れてしまうからです。
なので、映画やドラマの現場では必ずシャツなどの前が空く服を着ていかなければなりません。
タートルネックの服で現場に訪れたとある芸人さんは、メイクさんと衣装さんにメチャクチャ嫌な顔をされていましたね。
芸能界の挨拶は3つだけという暗黙のルール
芸能界では挨拶は3つだけです。それは
- おはようございます
- お疲れ様です
- お疲れ様でした
これだけです。
「おはようございます」はその日最初の現場に行った時は必ず言う言葉です。
午前中でなくて夕方17時入りだったとしても、その日初めて行く現場だったら「おはようございます」と挨拶するのが暗黙のルール。
ちなみに「おはようございます」になったのは歌舞伎界の「お早いお着き、ご苦労様です」が始まりだとか。
「お疲れ様です」はその日に初めて顔を合わせたわけではない人に対してかわす挨拶です。
「お疲れ様でした」は、もうその現場は去りますという場合に使います。
芸能界ではこの3つ以外の挨拶を使うことはほぼありません。
衣装の色は他の出演者とかぶってはだめ
これはバラエティー番組にある暗黙のルール。
番組の頭である司会者や、自分よりも目上のタレントの衣装と同じ色の服を着てはいけないというルールがあります。
これは衣装の色がかぶると、画面上で目立たなくなってしまうからです。
例えば、司会者が赤い服を着ている場合には、赤以外の衣装を着なければなりません。
もちろん、これは衣装を用意するスタイリストが
- 複数の衣装を用意する
- 収録前に事前確認をする
ということで色かぶりを避けることができますが、出演者であるタレントも意識しておいて欲しい暗黙のルールです。
裏番組には出てはいけない
視聴者にとってはどうでもいいことなのですが、同じ日の同じ時間帯に複数の番組に出演する「裏かぶり」をしてはいけないのも芸能界の暗黙のルール。
これはテレビ局が番組制作にお金を出してくれているスポンサーに気を遣うことからできたルール。なので、スポンサーがないNHKはあまり気にしていません。
ちなみに私も一度だけフジテレビの番組とテレビ東京の番組で裏かぶりをやってしまい、両局のプロデューサーにえらい怒られた経験があります。
で、裏かぶりのややこしいところは、同日の同時間帯の裏かぶりではなくてもダメなケースがあることです。
例えば、日テレ「ヒルナンデス」とフジテレビ「ぽかぽか」は月曜〜金曜のお昼の帯番組です。
ヒルナンデスの月曜レギュラーは、ぽかぽかの月曜日に出られないのは当たり前ですが、同日同時間帯ではない火曜日〜金曜日にも出ることは許されません。
スケジュールは公表してはいけない暗黙のルール
タレントは自分のスケジュールを公表しないのが暗黙のルール。
マネージャーから知らされている今後の予定をついポロっとスタッフに言ってしまうのはタブーです。
というのは、マネージャーが仕事を断る理由として、最も多く使い、最も円滑に断れる方法として「その日は他の仕事を入れててスケジュールがないんです」というものだから。
仕事の内容的に断る、という本音を言うと角が立つのでスケジュールで逃げる場合が多いんです。
それなのに、タレント自らが自分のスケジュールを言ってしまうと「あれ、その日空いてないんじゃ?」「マネージャーの言ってた話が違うぞ?」などという余計なトラブルを生んでしまいます。
なので、いくら自分のスケジュールだとしても迂闊に人に話してはいけないのが暗黙のルールなのです。
まとめ
芸能界には独特の習慣やタブーがあり、それを先に知っておくことは大きな武器になります。
カメラマンへの気配り、現場での服装、挨拶の使い方、出演者同士の衣装のバランス──どれも小さなことに見えて、プロとして信頼される大切なポイントです。
これから芸能界を目指すなら、「技術」や「才能」だけでなく、こうした暗黙のルールを理解していることが成功への近道になります。
事前に知って行動できる人ほど、スタッフにも共演者にも愛され、チャンスが巡ってきやすくなりますよ。


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