アイドルのマネージャーになって支えたい、そう思ってる人って結構多いですよね。
では、大好きな推しのアイドルのマネージャーになれるのか?あるならその方法は?これについて芸能マネージャーを15年務めた私がご紹介します。
自分が推してるアイドルのマネージャーには「ほぼなれない」
- 自分の推しのアイドルを支えたい
- 間近で成長を見届けたい
- マネージャーになればワンチャン付き合えるかも
こんな思いで好きなアイドルのマネージャーになりたいと夢見る人って多いと思いま。でも、結論からいうと好きなアイドルのマネージャーになることはほぼ不可能です。
まあ、やっぱりファンとマネージャーって別ものなんですよね。もちろん、「マネージャーが一番のファンであるべきだ」って言われるように、担当のタレントやアイドルのことを一生懸命考えられるのはファンであることに間違いはありません。
でも、
マネージャー ⇨ ファンになる
ということはあっても、
ファンになった ⇨ マネージャー
っていう図式はまず無理です。
アイドル事務所のマネージャーの言葉
多くのアイドルを抱える芸能事務所のアップフロントエージェンシーのマネージャーさんから聞いた話だと、面接の場ですぐ「この人はうちのアイドルのファンだ」って言うのが分かるそうです。
もちろん、何度もライブに足を運ぶ熱心なアイドルファンは顔を覚えられてて当然なのですが、そこまでではないアイドルファンでもすぐに分かっちゃうそうです。やっぱりアイドル好きは面接時の返答に滲み出ちゃうんだそう。
で、自分の事務所のアイドル好きはもちろん、他事務所のアイドルファンでも次の面接には進めないとか。やっぱり、芸能事務所側としてもファンは身内のマネージャーではなく、お客さんとして存在してもらいたいものなんですね。
アイドルのマネージャーに求められること
でも、「アイドルについてかなり詳しいからマネージャーとして役に立てるハズ!」と思いますよね。だって、ファンの気持ちがメチャクチャ分かるから。これからどういう方向性で活動していけばファンがもっと喜んでくれるか、アイドルとして大きくなれるかが分かるというもの。でも、実際はそうでもないんですよね。芸能事務所側としてはファンの目線はあまり欲しがっていないものなんですよ。
例えば、鉄道会社の面接では「鉄オタ」は確実に切られるそうです。それが乗り鉄でも撮り鉄でも時刻表鉄でも。また、任天堂とかも「マリオカートは10000時間以上プレイしました」「ゼルダは40回クリアしました」とか自己PRで書いている人は無条件で書類審査落ちだそう。自社製品を愛してくれるのはありがたいこいとですが、採用となると全くもって邪魔になることなんですよね。
自分の好きなアイドルのマネージャーにはならない方が良い
芸能界の内側にいた立場から言いたいのは、「自分の好きなアイドルんのマネージャーにはならないほうが良い」ということ。やっぱり、アイドルも人間です。良い面だけでなく悪い面もたくさんあります。「あ〜知らない方がよかった…」と思うようなことがたくさんあるはずです。
芸能界って「いかに良い面だけを見せて悪い面を見せないか」が一番の仕事だったりします。ファンにテレビやライブ会場で見せる顔はほんのごく一部。仮にマネージャーになって身近にいるようになると幻滅してしまうこともたくさんあるでしょう。マネージャーとして側にいたいと思う願望はもたない方があなたのためです。
それでもアイドルのマネージャーになりたい!なら
「それでもアイドルのマネージャーになって支えたい!」という気持ちがあるなら、一度アイドルのいない芸能事務所でマネージャー経験を積んでみることをお勧めします。アイドルのいない芸能事務所なら面接でアイドルファンということがバレる可能性は低いでしょう。そこで芸能界のマネージャーとして働き、経験を積んでから改めてアイドルのいる芸能事務所に転職する。これが一番可能性のある方法ではないかと思います。
場合によっては推しのアイドルと一緒の現場にいくこともあるかもしれませんよ。
アイドルのマネージャーの仕事内容ってどんなもの?
では、実際アイドルのマネージャーになったらどんなことをするのでしょうか?複数人で成り立つことの多いアイドルのマネージャーは結構大変ですよ。
レッスンの管理
アイドルのメインの仕事は「歌って踊る」ことです。ファンからお金をいただいてライブをするには、それに見合うだけのものを提供しないわけにはいきません。なので、アイドルには必ずボイスレッスンとダンスレッスンをします。
もちろん、マネージャー自ら歌や踊りを教えたりすることはないので、先生にお願いするわけです。で、レッスンのスケジュールを先生と合わせたり、場所の確保をしたりというお仕事です。また、アイドルがサボらないように…という監視の役目もあったりします。
衣装の管理
複数人で構成されることの多いアイドルですが、5人グループなら5着、10人グループなら10衣装が必要になります。その衣装の管理をするのもマネージャーの仕事です。
アイドルってやっぱり歌って踊るのがメインですから、ライブが終わった後は汗でビショビショ。それを綺麗に洗濯するのもマネージャーの仕事の一環です。でも、アイドルの衣装ってTシャツとかと違って洗濯機に入れて回したらOK,というものではありません。細かくパーツで別れていたりするので、基本手洗い。
まさに野球部やサッカー部のマネージャーと同じようなことをするのです。
レコード会社との折衝
アイドルは芸能事務所だけでは活動ができません。歌って踊るのがメインな仕事の以上、どうしてもレコード会社との協力は必要不可欠です。
レコード会社の人と楽曲についての方向性を考えたり、CDのジャケットどんな感じにするかなどと言う会議なども頻繁にあったりします。
ライブ会場や音響&照明スタッフとの折衝
ライブ会場を押さえたり、音響や照明スタッフとの打ち合わせもマネージャーの仕事。ライブ会場の箱を借りる際には日程はもちろんですが、料金の交渉も必要になります。小さいライブハウスでは、ライブハウス付きの音響・照明スタッフがいますがある程度の箱でライブを行う場合にはマネージャーが直接交渉します。
担当アイドルが大きくなれば、イベンターさんに全てを任せることになります。
現場やレッスン場までの送迎
複数人いるアイドルグループは移動も大変。直接現場に集合させることもありますが、大体はグループ全員での団体行動。この時にはマネージャーが車を運転して現場やレッスン場まで連れていくことも多々あります。
大型免許は必要ありませんが、中型免許があるとかなり有利でしょう。
愚痴を聞く
複数人いるアイドルグループではみんな性格が違います。特に女性グループの場合はメンバー同士で衝突したりと人間関係維持が大事になります。そんな時はマネージャーの力量が問われます。それぞれの愚痴を聞いてやり、ストレスを軽減させてあげるのはアイドルマネージャーの一番難しいことかもしれませんね。
まとめ
アイドルのマネージャーになりたい、それも自分の推しのマネージャーになりたい!と思う人は多いと思いますが、基本的にその可能性は0に近いものでしょう。
でも、アイドルも人間。身近にいて推しアイドルの裏の顔を見てしまうのはオススメできないものです。やはり、好きなアイドルを好きなままでいるためには、マネージャーになるという考えはやめた方が良いでしょう。
それでも、アイドルのマネージャーになりたいなら、一度アイドルとは関係のない芸能事務所に就職して経験を積む、これが最も現実的な方法でしょう。
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